数年前に、秩父の林道で大型蝶の群生を目の当たりにしながら、デジカメどころかスマホも持参しておらず、悔しい思いをしました。以来、野生の動植物との接近遭遇に備えて、ほぼ毎回、複数台のデジカメを山レブルに携行しています。
デジカメは、イメージセンサー(撮像素子)のサイズが命。それを知ってからは、1/2.3型(6.2×4.7mm)に別れを告げ、長く1型センサー(13.2×8.8mm)を使った後、APS-C(22.3×14.9mm)に移行しました。さすがに、ここからサイズを大きくすると、価格が急上昇するので、素人には向きません。
野生動物の撮影となると、望遠性能が必須ですので、レンズ交換のできる機種(ミラーレス一眼)に、ライトバズーカと呼ばれる望遠レンズを取り付けてます。焦点距離100~400mmの望遠レンズを取り付けると、望遠端で35mmフィルムカメラ換算で、焦点距離640mmとなります。
これで結構な望遠性能なんですが、野生動物を写すには、まだまだ力不足。たとえば奥多摩の山間で猿の群れを目撃して、バイクを停めてカメラを構えても、大写しするためには距離を詰めねばならず、写す前に皆、林の中へ逃げていってしまいます。

とはいえ、これ以上の望遠レンズは、価格的にも大きさ的にも現実的でない。
そこで、望遠性能を第一、画質は第二として、「ネオ一眼」と呼ばれる、レンズ交換のできないデジカメ、しかもイメージセンサー1/2.3型のものを買うことにしました。
イメージセンサーが小さい分、望遠レンズの性能を保ったまま、前後長を短くできます。それがミラーレス一眼並みの大きさなのですから、望遠性能も「ミラーレス一眼+ライトバズーカ」(35mm換算640mm)を遥かに上回るものとなります。
候補はニコン、キャノン、パナソニックの三つ。



- ニコン COOLPIX P1100。光学125倍(換算3000mm)。2025/02発売。2020/01発売機種の後継
- キャノン PowerShot SX70 HS。光学65倍(換算1365mm)。2018/10発売。2014/10発売機種の後継
- パナソニック DC-FZ85D。光学60倍(換算1200mm)。2024/07発売、2017/01発売機種の後継
望遠性能ならニコン一択なんですが、いかんせん価格が高い。天体望遠鏡なみの性能で、月面のクレーターなどはお茶の子さいさい。普段の無駄遣いを止めれば手が届かないわけはないのですが。で、のこる2機種では、発売時期に5年の差があったので、パナソニックとなりました。イメージセンサーやオートフォーカス、画像処理エンジンの性能という点で、デジカメは新しい方がいいです。
で、このネオ一眼を片手に、先週の土曜日、八王子西ICから陣馬街道、奥多摩周遊道路、大菩薩ラインを走って勝沼ICから戻ってくるというルートを走ってきました。ただ、雨上がりで涼しかったものの、午前中の山間は霧がかかって小雨。野生動物とも遭遇せず、望遠性能を試すことができませんでした。
以下、実際に使ってみた感想。
(1)やはり、「ネオ一眼」と「ミラーレス一眼+ライトバズーカ」の間のカメラ性能の差は大きい。


同じ場所から、同じ換算400mmくらいの画角で写したものを比べると、差がかなりあります。ただ、高いカメラ、高いレンズは、当然のことながら、素人の操作に対する性能の余裕があるわけで、ネオ一眼の使用に慣れてきて、シャッタスピードや絞り、ISOを適切に設定すれば、ここまでの差は出ない筈です、
(2)望遠レンズと超望遠レンズの差は、思っている以上に大きい。
換算640mmからも「超望遠レンズ」というカテゴリーに含まれるのかも知れませんが、ライトバズーカは、やはり「ライト」で、やはり、遠くの物の引き寄せ方に、双眼鏡と天体望遠鏡の違いがあります。


もっとも、超望遠レンズは、被写体を画面内に収めるのにコツが要るのと、その先が手ブレとの戦いとなります。どうやら、例えば「換算1000mm」で撮影しようと思ったら、シャッタースピードは「1/1000秒」より早くしなければならないとのこと。
三脚が要ります。また、絞りを開いたり(つまりピント合わせがシビアになる)、ISO感度を上げたり(上げすぎると画質が低下する)といった副作用も生じてきます。



家の近所の小川で鳥類を撮影しましたが、細かく動いているので、シャッタースピードを上げないと、手ブレとダブルでブレます。
(3)光学60倍を超えるデジタルズーム域ではオートフォーカスの効きが緩いか
取り敢えず、野生の猿を撮影する機会まで、できるだけ操作に習熟しておくこととします。あと、満月になったら、月面撮影にもチャレンジしてみます。



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