昨年11月から12月まで、HONDAの電動スクーター「EM1e:」をモニター試乗してたので、その感想を書きます。
EM1e:は、HONDAが昨年8月に発売した電動スクーター。原付一種です。なので法定速後は30km。スペックを比較すると、こんな感じ。
車両重量 | 最高出力 (kW (PS)) | 最大トルク (Nm (kgfm)) | ||
EM1e: | 電動スクーター (原付一種) | 92kg。 うち10.2kgがリチウムイオンバッテリー | 1.7 (2.3) (540rpm) | 90 (9.2) (25rpm) |
タクト | 原付一種 | 79kg | 3.3 (4.5) (8000rpm) | 4.1 (0.42) (6000rpm) |
Dio110 | 原付二種 | 96kg | 6.4 (8.7) (7500rpm) | 9.0 (0.92) (5750rpm) |
モーター推進なので、低回転で最高出力、最大トルクに達する反面、ガソリンエンジンと違って、回転数を上げていくと、出力、トルクがリニアに大きくなる、ということがありません。
どういことかというと、ガソリンエンジンだと、「急いでスピードを上げたい」と思ったら、その分だけスロットルを開けばよいのに対し、電動スクーターは、なるようにしかならない、という感じでしょうか。
以下、実際に乗ってみての感想:
- プリウスで有名になりましたが、とにかく音が静か。あまりに静かなので、音楽を聴きながら走るためにインカムを買ったくらいです。
- おそらく安価に仕上げるためなのでしょう、未来の乗り物なのにスマートキーでありませんでした。Dio110でスマートキーに慣れていたので、かなり不便に感じました。
- 同じくセンタースタンドのみ。パッと出掛けて、パッと止めるには、サイドスタンドは必須です。社外品があるようですが。意外に車重があるのと、レブル250/500、Dio110と、センタースタンドのない機体に慣れていたので、最後までセンタースタンドには馴染めませんでした。
- 地下駐車場のスロープが苦手。そもそも坂道を上るには、パワーがやや足りないです。スロープの途中にゲートがあっても、サイドスタンドがないから、チケットを取ったり、お金を払ったりする間、危なっかしくなりました。
- 地下駐車場に出入りするからか、バッテリーの持ちがよろしくありませんでした。家から3kmほど離れたスポーツクラブへの行き来に使ったのですが、どちらも地下駐車場だったので、満充電(約6時間)でも4往復できるかどうかでした。
- 純正リアボックス(35リットル)には、ヘルメットが収まりませんでした。開閉・ロックのメカニズムがGIVIと違っていて、慣れるまでやや戸惑いました。
ただ、やはり、原付一種は、乗りにくいですね。法定速度が30kmなので、道路の左端を、四輪に追い抜かれながら走ることになります。これが都心の幹線道路だと、かなり冷や冷やします。交差点を右折するには、道路の左端から四輪車線に入って、さらに最右車線に移らねばなりません。その際、「速度を上げて流れに乗る」という動作が、原付一種だとスムースでありませんので。
大型二輪、中型8t限定解除、普通二種と、俗人よりは運転慣れしている身からすると、原付一種は、やはり交通量の多いところでは、乗りにくかったです。原付一種でそうなのだから、LUUPその他の電動キックボード、要免許の電動モペット(フル電気自動車)など、もっと危なっかしいのでしょう。
モニター終了後に安価に買い取るオプションがあったのですが、行使しませんでした。Dio110から乗り換えるメリットを感じられませんでしたので。今後の期待です。
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